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腕時計修理に使える⁉100均やホームセンター等で揃う商品とは?

2022.01.06
お手入れ・取扱
100均やホームセンターで買える⁉|お手軽腕時計メンテナンス用品(電池交換、外装クリーニング)の紹介

腕時計が壊れた場合、真っ先に思い浮かべるのは修理費用だと思います。選択肢としては自分で修理?時計屋さん?ホームセンター?家電量販店?などなど。その中で一番費用が抑えられるのは、自分で修理することです。

腕時計の修理に100均で買った商品は使えるのか?

腕時計の修理に100均で買った商品は使えるのか?

今回は修理費用を最小限に抑えるために、腕時計修理のプロ目線でお勧めできる、100均で買った商品「お手軽メンテナンス用品(電池交換、クリーニング)」を一部紹介いたします。

注)あくまで専用の工具ではないので自己責任でお願いいたします。

 

メリットについて

1.(費用)

腕時計を修理する場合、例えば電池交換は時計屋さんや家電量販店、ホームセンターでも1,000円以上の費用が掛かります。腕時計のブランドによっては10倍以上の費用が掛かるケースもあり、電池交換以外の作業の場合も数千円で収まらない可能性がございます。

腕時計は、動き続ければいずれ消耗し、時が来れば故障します。破損状況によっては専門工具、専門知識が必要になりますが、電池交換、ベルトのサイズ調整や時計の外装洗浄などといった軽修理が自分で作業できれば複数本の腕時計をお持ちの方でもより費用を抑えられることが可能です。

 

2.(修理納期)

電池式の腕時計をお店に持っていった時に、「こちらの時計は防水性が高いので1~2週間のお預りです」と案内された経験はないでしょうか?

腕時計は、電池交換時に裏蓋を開けると作業と同時に防水性が落ちる可能性があります。そのため、電池交換作業後に防水試験して、その腕時計の防水性能に耐えられるかをテストします。お店によっては防水試験機を置いているお店もございますが、置いていないお店が大半です。(特にホームセンター、家電量販店、腕時計販売店は置いてありません。)置いていないお店は自社の修理工房や提携している修理工房で作業するため、時間が掛かります。また、腕時計の洗浄に関しても店頭で行っていないお店も多いので、こちらの作業も自社の修理工房や提携している修理工房で作業するため、時間が掛かります。

 

3.(タイミング)

電池切れは突然訪れます。腕時計の使用は人によってさまざまですが、結婚式、大事な会議、デートなどが明日に控えているタイミングで電池切れが起こったとしても、自分で修理できれば何も問題はありません。腕時計の汚れをきずいた場合でもきずいた時に対応できるといったように、おうちに居ながら、自分のタイミングで臨機応変に対応できます。

 

デメリットについて

1.(破損のリスク)

腕時計の内部部品はとても細かく、繊細なパーツで構成しています。お客様のご依頼の内容は、自分で電池交換した際に壊れた、部品をなくしたというご依頼もあります。不安をあおる訳ではないですが、修理する際に無理しないことがとても大切です。

 

2.(手間が掛かる)

実際に自分で修理する時はウェブサイトやYouTubeなどで調べて、道具を買って腕時計の修理作業をする。その作業の時間を手間と考えず、有意義な時間と考える人は少ないはずです。時間に余裕がなければ、いっそのことプロにお願いするのが無難ですね。

気軽にホームセンター・ダイソーなどで購入できる商品の紹介①

 

【自分でできる腕時計修理】気軽にホームセンター・ダイソーなどで購入できる商品の紹介①

自分でもできる腕時計の金属ベルト洗浄グッツ|気軽にホームセンター・ダイソーなどで購入できる商品の紹介

外装パーツの故障は部品交換となり費用が高くなる場合が多いですが、使用方法、使用環境によって防ぐ事ができます。腕時計のクリーニングは時計屋さん・ホームセンター・家電量販店などに依頼しても時間も掛かりますし、値段も数千円は掛かると思います。

※場合によってはホームセンター・家電量販店でも作業していない可能性もございます。

 

そもそもステンレス・チタン素材ってサビるの?

腕時計の外装パーツ(金属部)の多くはステンレスやチタンが使われてます。一般的にはステンレスやチタンは錆にくい素材と言われています。あくまで錆ない素材ではなく、錆にくい素材です。

 

  『ステンレス・チタン』素材は錆る?=一般的に錆にくいステンレス・チタン素材ですが、腕時計に付着している汚れ・水分を放置していると空気に触れず、そこから錆が発生します。腕時計は常に身につける物なので目に見えない皮脂の汚れなど、バンドの隙間などに詰まるため、定期的に掃除する事をお勧めいたします。また、腕時計に水分が付着した場合も同じく空気に触れる事ができません。水分が付着した際はそのままにせず、乾いた布で拭き、乾燥させてください。きれいに保つ事でステンレス・チタン素材は錆を防ぐ事ができます。

 

上記のように素材を生かすためにも、腕時計の故障の1つである錆を未然に防ぐ、腕時計ベルトクリーニング方法を紹介します。

 

金属ベルトの洗浄作業

 用意する物や注意点など

金属ベルト洗浄作業グッツ.1

ステンレスボトル洗浄剤

金属ベルト洗浄作業グッツ.3

割りばし(定規などでも可能)

金属ベルト洗浄作業グッツ.2

器(ガラスやプラ容器、紙コップなどでも可能。)

金属ベルト洗浄作業グッツ.4

※あると便利なもの:ブラシ(取り切れない細かい隙間の汚れを取り除く事ができます。)

 

【メリット】

  • 超音波洗浄器など特別な機材や手間は要らない。
  • 除菌効果がある、食器洗浄剤なので比較的肌にも安心。
  • 専用工具より安価。

 

【注意、アドバイス】

  • ステンレスボトル洗浄剤はステンレス素材に使用してください。商品の仕様を確かめて、ご使用ください。
  • 汚れなどを取り除くと洗浄後ベルトのコマをつなぐピンが緩んで抜けやすくなることがあります。

 

【手順】

1.洗浄剤1包分にお湯を入れ、2時間放置し、水で濯ぐだけです。

※蒸気が当たるため、非防水時計には不適です。

 

100均グッツで金属ベルト洗浄作業手順.1

洗浄剤を器に入れる。

100均グッツで金属ベルト洗浄作業手順.1

器にお湯を入れる。

 

 

2.今回は6時側クラスプまで浸け置き。

 

100均グッツで金属ベルト洗浄作業手順.2

30~40分程度浸けておきます。

100均グッツで金属ベルト洗浄作業手順.2

汚れが取れています。

 

 

3.汚れが取り切れない場合ばブラシを使って汚れを落してください。

 

100均グッツで金属ベルト洗浄作業手順.3

取り出して水で濯いでください。

100均グッツで金属ベルト洗浄作業手順.3

※時計本体は蛇口から出る水には直接つけないでください。(水入り注意)

 

 さらにお手軽にするなら、いっそベルトを外さず洗浄するパターン(コップに割箸で腕時計のケース下に橋渡し、洗浄液につからないようにする) などの方法もあります。

 

 

【自分でできる腕時計修理】気軽にホームセンター・ダイソーなどで購入できる商品の紹介②

自分でもできる腕時計スクリュー裏蓋式電池交換|気軽にホームセンター・ダイソーなどで購入できる商品の紹介

以前の記事(腕時計の電池交換を依頼すると高いと思う理由について)で紹介したメーカー、時計専門店でないと電池交換できない腕時計の中に裏蓋スクリュー開閉モデルがございました。スクリュー式の腕時計は防水モデルに使用にしている事が多く、自分で腕時計を電池交換すると防水性能が落ちる可能性がございます。また、裏蓋の開閉器の工具が特殊で高額、さらに使い方を誤ると腕時計に傷をつけてしまう恐れがございます。

 

修理工房などで使用している『開閉器』とは?

 

修理工房などで使用している『開閉器』とは?

修理工房などで使用している『開閉器』とは?

 

 メイコー社の開閉器です。こちらに合わせて腕時計を固定する保持器が必要です。今回使用している保持器はセイコーの保持器になります。こちらの組み合わせは、さまざまなスクリュータイプの腕時計設計されており、修理技術者の大半はこちらの組み合わせを使用しています。

 

しかし、防水性は落ちても気にしないという人に向けて、今回紹介する開閉器は、ダイソーなど100円ショップで買える商品のため、とても安価です。また、素材もゴムのため、傷つける可能性リスクは軽減できます。開閉するボール、電池、ピンセットは全て100円ショップ、またはホームセンターなどでそろいますのでお試しください。裏蓋が固く回らない場合は無理せず、時計屋さんにご相談ください。

 

スクリュー式裏蓋の電池交換作業

 用意する物や注意点など

ゴムボール

ゴムボール

樹脂製のピンセット(先端が樹脂素材の物を使用してください。)

ボタン電池(もともと時計に入っている電池に記載している番号の物を使用してください。例:SR626SWなど)

あると便利なもの:ゴム手袋(滑り止めになり、より力が入ります)

 

【メリット】

  • 専用工具より安価。

 

【注意、アドバイス】

  • 当然、専用工具には敵いませんが、開くときは開きます。(時計の状態と握力、腕力次第)
  • 腕時計を傷付けるリスクが低い。

 

【手順】

1.先に腕時計の裏蓋とゴムボール 双方をアルコールで良く拭き、油分を取り除きます。

※腕時計によってはアルコールに弱いものもあるかもしれません、先に目立たない部分で試してください。

 

100均グッツでスクリュー式裏蓋の電池交換作業手順.1

ボールを強く握り、腕時計の裏蓋に押し当てます。

※この時キュキュッとつっぱる感触があるか確かめてください。感触がなければまだ油分が残っているかも。

 

100均グッツでスクリュー式裏蓋の電池交換作業手順.1

全力で握る&押し付けるのまま逆時計回りに回します。

一度でダメなら何度も! ちなみにコレは三度でした。結構キツい…かもしれません。

 

 

2.緩んだらそのまま回していくと裏蓋が…ポロッと外れます。

中身を浮かないよう腕時計はウラブタ側を上にしたまま維持してください。

 

100均グッツでスクリュー式裏蓋の電池交換作業手順.2

100均グッツでスクリュー式裏蓋の電池交換作業手順.2

 

 

3.裏蓋が開いたら電池を交換します。

 

100均グッツでスクリュー式裏蓋の電池交換作業手順.3

 

 

 

4.締める時は、開けた時とは逆方向に回してください。

裏蓋をキッチリ閉めて、時間、カレンダー等合わせて完了です。

 

100均グッツでスクリュー式裏蓋の電池交換作業手順.4

 

締め方が不十分だと中に水、湿気が入り込み、故障の原因になります。

 

作業を終えて

今回は時計修理専用工具の代用として使用してみました。本来の工具よりは使用しづらい点もありましたが、やり遂げられました。専門工具を購入しようとすると10倍以上の価格ですが、今回紹介した方法なら費用はさほど掛からずお勧めです。

腕時計修理方法は各ウェブサイトやYouTubeなど調べる方法は幾らでもありますので、腕時計に限らず自分で修理する事は、今後さらに需要が高まっていきそうですね。余談ですが、「時計修理技能士」という国家資格があるのはご存じですか?興味がある方は弊社で専門技師による教育セミナーも行っておりますのでご相談ください。

 

 『時計修理技能試験』とは=毎年全国から数百人が受けており、学科試験、実技試験があります。実技試験では3級の実施試験は電池交換や腕時計ベルトサイズ調整の他にラッピングです。1級になると  電池式(クオーツ)の分解清掃、機械式(メカ)の分解清掃です。分解清掃は腕時計内の細かいパーツをメンテナンス(分解、清掃、注油、組み直し、検査)する事を指します。内部部品はとても小さく、細かい部品で組まれおり、精密さが要求されます。

 

 腕時計の仕事に携わらない限り、なかなか腕時計の内部や修理風景は見る機会は少ないと思います。そのため、お客様が分からない事、不安に思う事が多いと思います。私たちがその不安を少しでも解決できればと考えております。

 

 

 

 


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